男子高校生も他人事じゃない!スポーツ中の熱中症に気をつけて!

熱中症の事故というと、高齢者や乳幼児の話と思いがち。ところが実は、体力あふれる若い人も他人事ではありません。特に注意したいのが、スポーツをしている男子高校生。15歳~の高校生期は、熱中症による死亡者数が多い時期。高1男子に至っては、乳幼児と同じくらいの死亡事故が起こっています。

熱中症による死亡事故が起こるのは、その大半が「部活動などのスポーツ中」。そこで今回は、死亡事故のデータもひもときながら、身につけておきたい考え方や対策などをお伝えします。

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学校での熱中症の死亡事故は、ほとんどが「体育・スポーツ」中!

重症化すると、生命を落とすこともある熱中症。学校の現場でも、ほぼ毎年のように死亡事故が起きています。学校教育を管轄する文部科学省は、「学校の管理下における熱中症事故は、ほとんどが体育・スポーツ活動によるもの」と指摘。教育機関にしかるべき対策を呼びかけています。

具体的に、1975年~2011年のデータを見てみましょう。この間に、学校の管理下で起こった熱中症による死亡事故は、161件。発生時として特に多いのが、次の二つです。

・部活動での事故…………………………………約86%
・登山などの部活以外のスポーツ活動…………約12%

この二つだけで、約98%を占めています。ほとんどがスポーツ中の事故だと分かりますね。さらに学年別に見てみると、「高校1年生」が飛び抜けています。あくまで推測ですが、部活動の内容が激しくなった時期と考えられます。

また、熱中症は、持久走のように継続するランニングで発生することが多く、「長時間の運動こそが問題」だと思われがち。でも、必ずしもそうとは限りません。実際に、熱中症が発症するまでの運動時間を見てみると「2時間まで」が3分の1以上を占めています。たとえ短時間であっても、激しすぎる運動では死亡事故が起こってしまうのです。

指導者は、「短い時間だから」と過信せず、生徒たちの様子を細かくチェックすることが必要といえますね。

本当にそれでいい?一部の指導者の意識にも疑問あり

悲惨な事故の背景には、「子供たちが暑さに弱くなっていること」や「猛暑日が増えたこと」などもあります。ただし、指導者の「やや時代錯誤な意識」に問題があるケースも多々あると言わざるを得ません。

たとえば、2013年の高校野球埼玉大会では、熱中症で倒れた選手への監督の発言が問題になりました。その日は、38.3度という異常な猛暑。3名の選手が熱中症で倒れ、救護室へ運ばれました。その選手らに対して監督は、「何をやっているのか」と、あきれ顔で話したというのです。

このような言葉を投げかけたのは、残念ながら監督だけはありません。埼玉県高校野球連盟の理事も、大会中次々と救急車で運ばれる生徒達に対して「毎日これでは困る」とコメントしたそうです。
   
彼らが現役選手だった頃の部活動は、「練習中の水禁止!」が当たり前。まさに、根性で乗り切る時代でした。その頃と比べると、つい文句を言いたくなってしまうのかもしれません。ただし熱中症は処置を間違えば、死に至ることもあります。生徒に愚痴を言う前に、発生防止に努めるのが大人の役目だといえるでしょう。

なお、死亡事故の発生順を部活動別に見てみると、

・1位・・・・・・・・・・・野球部
・2位・・・・・・・・・・・ラグビー部
・3位・・・・・・・・・・・柔道部

となっています。これらは傾向として、根性論がまかり通ってきたスポーツです。指導者が子供たちに「精神的な強さ」を教えるのは、もちろん大事なこと。でもやはり、安全第一です。子供の体質が変わってきていることや、異常気象が続いているという現実をふまえた上で、指導にあたることが必要といえるでしょう。

スポーツの現場では、「知識不足」が危険を招く

熱中症を防ぐ意味では、指導者をはじめとした関係者が、「熱中症や脱水に関する知識」を正しく持っていることも大事です。真夏の話ではありませんが、箱根駅伝で起こった事故を紹介しましょう。

東京―箱根間という総距離217.9キロを、「たった1本のたすき」でつなぐ箱根駅伝。「豪快なごぼう抜き」や「期待されながらまさかの失速」など、毎年数々のドラマが生まれ、正月の風物詩ともなっています。何より「たすきをつながなければ!」という一心で、体力が限界になろうとも懸命に走り抜くランナーの姿に、心打たれるのではないでしょうか。

ところが2008年には、3校が途中棄権。これほどの学校が棄権するのは、史上初のことでした。

このとき、選手たちは脱水症状を起こしていました。人間の体力の限界をはるかに通り越して、路上に倒れ込み、なおもゴールに向かおうとして立ち上がろうとします。でも、痙攣して立ち上がれず、ひざが崩れて倒れてしまうのです。おそらく画面の前の視聴者は、心からのエールを送っていたことでしょう。ところが大会会長はなんと、「情けない」と一蹴したというのです。

箱根駅伝はマラソンとは異なり、固定の給水ポイントはありません。手渡しによる給水で、しかも回数も決まっています。給水ポイントをマラソンと同じレベルで設ければ、脱水症状を防ぐことにつながるでしょう。ですが、精神面の指導重視のためか、実現されません。
  
問題はこれだけではありません。給水用に配られているのは、ただの「水」。これは「スポーツドリンクを販売していないスポンサーに気を使っているから」との話もあり、批判されています。

脱水時には水だけでは不十分。ナトリウムを同時に補給しなければ症状が改善されないのは、もはや広く知られるようになった事実です。スポンサーへの配慮も大事ですが、そのことで選手の安全確保が二の次になるのは問題。あってはならない事故を防ぐためにも、指導者は正しい知識をもち、指導に当たることが大切です。

自己防衛が大事!暑さへの対策を忘れずに!

もちろん、熱心に勉強して、常に最新の知識を得ている指導者も多いことでしょう。ですが、すべての指導者が正しい知識をもっているわけではないことを、認識しておく必要がありそうです。

とはいえ、「指導者に熱中症の理解がないから」とあきらめていては始まりません。子供の安全を守るのは、保護者さまの務めでもあります。

熱中症から守るためには、暑さに慣れることがポイント。悲惨な事故から子供を守るためにも、そして子供が炎天下でもパフォーマンスを発揮するためにも、「自分の身は自分で守る」という意識をつけさせてあげましょう。そして、必要な工夫をさせてあげることが大切です。

「でも、どんなことをすればいい?」という方のために、例を二つ紹介しましょう。

>>例1)「慣らし」の期間をつくる

まずはアメリカンフットボールを例に、工夫を紹介します。

相手と激しくぶつかり合うアメリカンフットボール。競技中はヘルメットなどの防具を着用し、衝撃から身を守ります。防具はたしかにケガを軽減させてはくれますが、同時に熱をこもらせてしまいます。その結果、熱中症のリスクが高くなってしまうことが問題視されていました。

そこで、アメリカで大学スポーツを管轄している「全米大学体育協会(NCAA)」は夏のトレーニング開始前に5日間の順化期間を設けることを義務化。その間は、フルユニフォームの着用を禁止するよう規定しています。

いきなり暑い環境に身を置くのではなく、徐々に慣らしていく。この期間があれば、身体への負荷はずいぶん変わります。これは、アメリカンフットボールだけではありません。防具をつける剣道や野球のキャッチャーにも当てはまります。厚手の衣服を着る柔道でも、「慣らし」の期間をつくるとリスクを下げることにつながりそうですね。

>>例2)自分で「暑い環境」をつくる

もう一つ、高校野球の例を紹介しましょう。

京都の高校のとあるピッチャーが「投球や試合の内容より暑さに耐えられないことが気になりました。暑さ対策をしないと上にいっても勝てない」と、試合を振り返りました。

この選手はエースになりたい一心で、普段からクーラーを使わないようにしたり、長袖長ズボンで過ごしたりと、暑さに耐えられる身体づくりに努めていたのだとか。試合が行われている間、気温は約33度まで上がったそう。もしこうした工夫がなければ、完投すらむずかしかったかもしれませんね。

スポーツでは、「暑い中で、長時間の試合をたたかい抜く」ための持久力が必要とされます。普段からの工夫で、「暑さを乗り切る」身体にしておきましょう。

常に「疲れてない?」「大丈夫?」を確認しよう

暑さには、いわゆる「根性」だけでは対応しきれません。工夫しながら、柔軟に対策することが大切なのです。

保護者は、帰宅した子供を良く見てあげましょう。「疲れていないか?」「ちょっとした異常はないか?」など、目を光らせてあげてほしいのです。特に、部活動の練習が厳しさを増す高1や中2の夏は要注意です。しっかり見て、守ってあげてくださいね。

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