練習前、何を食べる?ジュニアアスリートにとっての「おやつ」を検証

グラウンドやコートの上では、大人に匹敵するほどのハードな練習にも耐え、真剣なまなざしを見せるジュニアアスリートたち。ところが勝負の場を離れれば、その顔はやはりまだ“子供”。チョコレートやスナック菓子など、おやつを好んで食べたがることも多いでしょう。

ただし、勝ち抜くための身体づくりが大切な子供たち。「おやつを食べると、栄養バランスが崩れるのでは?」と心配するお母さんも多いかもしれませんね。そこで今回は、「ジュニアアスリートにとってのおやつ」を検証。練習前にどのようなおやつを食べればいいのかについても、紹介します。

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食べさせても大丈夫?我が子を思い、お母さんは悩むもの

子供にとって、おやつを食べるのは楽しい時間。小学校や中学校から帰ってきて、「今日のおやつは?」とうれしそうに尋ねる子供も多いことでしょう。夕方からの練習に行く前に、慌てておやつをほおばり、家を飛び出す子供も多いのではないでしょうか?

ただし、お母さん世代にとっておやつは、「ダイエットの敵!」「肌荒れの原因!」といった、“負のイメージ”もありますよね。

スポーツで結果を出すには、身体やコンディションづくりが欠かせません。おやつをほおばる子供を見ると、「太ったらどうしよう」「コンディションが乱れるのでは……」などと、心配してしまうかもしれません。

つい「やめておきなさい!」と小言をいったり、やきもきしながらも、黙って見ていたり。子供の頑張りをサポートしたいお母さんにとって、おやつを与えるさじ加減はむずかしいものですね。

現代っ子のおやつ事情とは?知っておきたい心がけ

ところで、子供たちはどれぐらいおやつを食べているのでしょうか?現代っ子のおやつ事情を知るために、『独立行政法人 日本スポーツ振興センター』の調査結果を見てみましょう。

同センターが、小学生や中学生を対象に行った調査によれば、毎日おやつを食べている子供は2~3割。「週4~5食べる」子供も含めると、4割近くにのぼります。頻度の違いはあるものの、7~8割程度の子供がおやつを食べているようです。

好きなおやつベスト3は、次のようになっています。やはり甘い物に人気が集まっていますね。

1位・・・・・・スナック菓子
2位・・・・・・チョコレート
3位・・・・・・あめ、キャンデー

※調査は、2011年1月下旬から2月上旬にかけて行われたもの。
※有効回答数は、小学生5433人、中学生4928人。

甘い物をおやつとして食べるのは、決して悪いことではありません。甘い物には、糖質が含まれています。糖質は、身体や脳にとって、主なエネルギー源となる栄養素。おやつを食べることで、エネルギー源を補えるのはうれしいことですね。

とはいえ、たとえば甘ったるいあめを大量に食べたり、生クリームたっぷりの生ケーキを毎日のように食べたりと、おやつから糖質を過剰に摂るのは考えものです。

なぜなら、糖質がエネルギーに変わるには、ビタミンB1の助けが必要だから。これらのおやつでは、ビタミンB1を摂ることができません。すると、糖質を摂ってもエネルギーを取り出すことができず、糖質が余ることに。使われなかった糖質は、肝臓や脂肪細胞へと移動。中性脂肪に変わり、蓄えられます。

悪いイメージを抱きがちな中性脂肪ですが、実は身体のエネルギー源として活躍します。その他、外気から身体を守る働きや、体温を一定に保つ働きも。骨や内臓を守るクッションとしての働きもあり、一概には「身体の害になる!」「減らさなくては!」とは言えません。

ただし、やはり中性脂肪が増えすぎると、肥満を招く原因になります。ビタミンB1を摂らずに糖質ばかりを摂るのは、ジュニアアスリートにとって避けたいことといえますね。

ジュニアアスリートにとって、「おやつ=補食」です!

では、ジュニアアスリートにとって、おやつはNGなのでしょうか?

おやつの是非について考える前に、まず認識しておきたいのが、「おやつ=嗜好的なお菓子」ではないということです。

おやつとは本来、「八つ時」(やつどき/現在の午後2時から3時ごろ)に食べる間食のことを指していました。一日二食だった江戸時代、小腹がすく八つ時あたりに、人々は間食をとっていたのだとか。その時間帯の呼び名をとって、「おやつ」と呼ぶようになったんですね。

時代は下り、現代においておやつは、嗜好的なお菓子の意味合いで使われることが増えました。でも本来おやつは、空腹を解消するための貴重な食事。一日の食事量ではまかなえない栄養を補う性質を持つものです。

運動量が多く、大量のエネルギーを使うジュニアアスリート。一日三回の食事では、必要なエネルギー量や栄養素を、タイミングよく補うことはむずかしいかもしれません。おやつを食事の一つと考えて、三度の食事では摂り切れない栄養をプラスするのであれば、おやつは意義のあることです。

ジュニアアスリートの場合、いわゆる“おやつ”ではなく、“補食”を摂るという感覚がふさわしいといえそうですね。

「補う」という観点で考えるならば、「練習中に必要な栄養」や「練習によって失われる栄養」を補ってあげたいもの。そう考えれば、おやつ選びのポイントが見えてきませんか?練習前に食べるおやつでは、どのような点を意識すればいいのか、見てみましょう。

>>1:汗と共に流れ出た“カルシウム”を補う!

競技によって差はありますが、ジュニアアスリートは練習中、大量の汗をかきます。夏になると気温が上がり、発汗量はさらに増えますよね。

汗をかけば、カルシウムをはじめとしたミネラル分も流出。「1リットルの汗をかくと、約40ミリグラムのカルシウムが失われる」というデータもあります。

ただ「約40ミリグラムのカルシウム」というのが、多いのか少ないのか……感覚が分かりにくいかもしれませんね。厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準(2015年版)」から、年代別のカルシウム必要量を見てみましょう。

<カルシウム必要量(ミリグラム/日)・男性>

8~9(歳)  550 650
10~11(歳) 600 700
12~14(歳) 850 1,000
15~17(歳) 650 800
18~29(歳) 650 800
30~49(歳) 550 650
50~69(歳) 600 700
70以上(歳) 600 700

※左は「推定平均必要量」、右は「推奨量」の数値。

たとえば、10~11歳の場合、一日あたりのカルシウム必要量は600ミリグラム。1リットルの汗をかけば、必要量の約7%のカルシウムが失われるということです。

たかが7%、されど7%。発汗によるカルシウム流出が続けば、長期的にはカルシウム不足を招く恐れも。カルシウムは、骨を丈夫にするのに欠かせない栄養素。できれば、運動する前に蓄えておきたいものですよね。

カルシウムを補うなら、チーズや小魚アーモンドなどがあります。チーズは、骨の材料であるたんぱく質も豊富に含有。成長期の子供のおやつにはピッタリです。

なお、成長期真っ盛りの12~14歳は、全世代を通してもっともカルシウム必要量が多い時期。補食としてのおやつでも不足分を補えないなら、サプリメントを活用するのも一つの手段ですね。

>>2:筋肉疲労を和らげる“カリウム”を補う!

汗として流れ出てしまうのは、カルシウムだけではありません。筋肉の収縮・弛緩を促すカリウムも失われるため、補ってあげる必要があります。

カリウムはナトリウムと共に、筋肉の収縮や弛緩に関わる栄養素。細胞内液にあるカリウムイオンと、細胞外液にあるナトリウムイオンが、細胞膜を通じて細胞内に入ったり出たりすることで、電気信号が発生。筋肉の伸び縮みをコントロールしているのです。

発汗によってカリウムが流出すると、筋肉の収縮や弛緩がスムーズにいかなくなり、脱力感が起こるように。汗をかき続けて、さらにミネラルバランスが乱れると、筋肉はけいれんを起こすようになります。いわゆる「足がつる」という状態ですね。

そこで役に立つのが、カリウムを豊富に含む「果物」。特にバナナは、カリウムを豊富に含む果物です。さっと食べられるので、練習前で時間がないときでも食べやすくて便利ですね。

>>3:エネルギー源の“糖質”を補う!

運動前のおやつでは、エネルギー源となる糖質も補いましょう。

スポーツ栄養学の研究で、東京大学より学術博士を取得した、公益財団法人「日本オリンピック委員会」の杉浦克己さん。同団体HPのコラムで、「(試合前は)運動と脳のエネルギー源となる筋肉と肝臓のグリコーゲン量を充分に高めておく必要があり、どの競技種目においても、脂質は控えめ、糖質をしっかり摂ることが試合前の食事の大原則といえる」と述べています。

運動前に糖質を補うのに適しているのが、先ほどと同じく果物。なぜなら、果物に含まれる果糖は、食べてすぐにエネルギーに変わるという特長があるためです。

たとえば、カットしたりんごの上にヨーグルトをかけて、その上からハチミツをかける「はちみつリンゴヨーグルト」は、手軽につくれるおやつの一つ。リンゴだけではなく、ハチミツでも糖質を補うことができます。ヨーグルトで、カルシウムを栄養補給することもできますね。

また、りんごに含まれるクエン酸は、エネルギーをつくり出す回路「TCAサイクル」(=クエン酸回路)の火付け役となる栄養素。エネルギー産生回路を活性化することで、疲労の軽減や早期回復に役立つといわれていますから、一石二鳥ですね。

ただし、糖質からエネルギーを取り出すには、ビタミンB1も必要です。おやつで補給した糖質を無駄にしないためには、ビタミンB1配合のサプリメントも併せて飲むと安心です。

さらに、糖質とビタミンB1を同時に摂れるおやつという意味では、「おはぎ」「あんこ餅」もオススメ。あんこは、ビタミンB群を豊富に含む食材。中でも、ビタミンB1やビタミンB2、ビタミンB6が多く含まれています。

また、おはぎやあんこ餅のような、“小豆と米”の組み合わせは、必須アミノ酸をバランスよく摂れるという点でも優秀。一緒に食べることで、米に少ない必須アミノ酸・リジンを小豆が補い、小豆に少ない必須アミノ酸・メチオニンを米が補ってくれます。お互いに足りないものを補い合える、とても理想的な食べ合わせなんですね!

ジュニアアスリートにとっておやつは、「練習中に必要な栄養」や「練習によって失われる栄養」を補うのに適した補食。カルシウムやビタミンB1の摂取がむずかしい場合はサプリメントも活用しながら、子供のスポーツライフを応援してあげましょう。

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